富山のライトレール[2010.5.3]素晴らしい都市デザイン2010/05/04 16:28

富山港線をリニューアルしたポートラム

連休を利用して富山までドライブしてきました。

富山で是非見たかったのは日本のLRTの先駆けである富山ライトレール。ほとんど知識なく、なんとなく噂に聞いていた程度でしたが、実際に乗ってきました!

夜に富山市街に入り最初に目にしたときの第一印象は、「なんてカッコいいんだ!」というものでした。昨年ダブリンで乗ったものとほぼ同じ印象。だからかもしれないけど、ライトレールが走る姿を見たときは、ヨーロッパの街にいるような感覚になりました。

夜、ホテルの部屋でさっそく富山ライトレールについてネットでにわか勉強。コンパクトシティの考え方に基づくなかなか立派な取組みなのですね。

翌朝、実際に乗ってみることにしました。というのも、もう一つ楽しみにしていた岩瀬の歴史的な街並みを歩くにも都合の良い路線だったから。かつて国鉄/JRで富山港線という短い路線があったのですが、これを一部路線変更してライトレール化したものが愛称「ポートラム」だったのです。なるほど!

市内に宿泊した人限定で「半額券」をもらえることも勉強したので、ホテルのフロントで券をもらっていざ試乗。ポートラムは15分間隔で走っているのでとても便利。まったくストレスなく乗り降りができます。乗ってみると車内の感じもダブリンのLRTにそっくりです。一応両側に2人ずつ座れるような座席があるのですが、かなり幅が狭いので大人の男性2人が座るにはちょっとキツイ感じです。窓が大きいので車内が明るいのはいいです。

いざ動き出すと、床の低さに改めて驚きます。専用軌道を走るときはそれほど感じないのですが、道路内を走るときは床面が道路面スレスレを滑っているような感じがしました。

富山港線の線路を8割がた利用している感じでしたが、都心部だけ道路敷き内に路線変更しています。おそらく乗車率を高めるために、利用ニーズが高い都心部では幹線道路上を走らせるようにしたのかと思います。通常の鉄道だと、駅の周りは商業施設などが並びますが、駅と駅の間の線路はただの「壁」になってしまい、まちづくりの障壁になっているように思います。その点路面電車はバスと同じ感覚で都心部の要所要所で乗り降りできるので、そういう意味では道路上にライトレールを走らせるというのは実に正しいと思いました。

問題はこれだけの設備をいかに持続させられるかですよね。要はいかに多くの人が日常的に利用してくれるかが問われるのでしょう。今回はゴールデンウィーク中で、私のようなよそ者が観光利用して車内も賑わっていましたが、平常時はどんな感じなんだろう、というところが興味あります。 今回行ってみてわかったのですが、第3セクターの富山ライトレールだけでなく、もともと市内に市電を走らせている富山地方鉄道も駅の南側に環状線(愛称「セントラム」)というLRTを走らせているのですね。 市の構想では北陸新幹線が開通して駅が高架化する際に、北部のポートラムと接続するようです。そうなると市民の利便性はかなり高まるでしょうね。 市民の足としてLRTが末永く愛され続けることを願ってやみません。

今回は終点岩瀬浜で降りて、岩瀬の廻船問屋の街並みをめぐって、終点から2駅南の東岩瀬から再び乗車して富山駅へ戻るという、わずか2時間半のなかなか楽しい小さな旅でした。岩瀬のまちも今後に注目です。


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